2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム利尿ペプチドファミリーの分子と機能の相関
Project/Area Number |
03J11406
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川越 暁 東京大学, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / 祖先分子 / 円口類 / メクラウナギ / ヤツメウナギ |
Research Abstract |
ナトリウム利尿ペプチド(NP)は、体液調節に重要な役割を果たすホルモンファミリーであり、これまで硬骨魚類以降で最大7つのタイプ(ANP,BNP,VNP,CNP-1〜CNP-4)が同定されている。いっぽう、軟骨魚類にはCNP-3のみ存在する。このことから、NPファミリーは、CNP-3を祖先分子として脊椎動物の進化の過程でその分子種を多様化させたと考えられていた。しかしながら、近年私は、最も原始的な脊椎動物である円口類のメクラウナギから、CNP-3ではなく、アミノ酸のC端末にユニークな配列(テール配列)をもつNP(hfNP)を同定した。 私はNPファミリーの祖先分子を明らかにするため、さらに3種のメクラウナギと、円口類のもうひとつの現存するグループであるヤツメウナギから3種と用いてNP cDNAと同定した。その結果、メクラウナギ類では、hfNPはテール配列をふくめ、前駆体レベルでアミノ酸配列が保存されていることが分かった。いっぽう、ヤツメウナギ類ではテール配列をもたないCNPのみが同定された。しかし、ヤツメウナギCNPは、その前駆体構造にメクラウナギ特有だと考えられていたプロセシング配列を持っていた。この円口類NPにみられる特徴は、CNP-4の前駆体にも共通して存在することがわかった。分子系統解析により、円口類のNPは、前駆体レベルでCNP-4と最も相同性が高いことがわかった。これらの結果より、NPファミリーは、軟骨魚類にみられるようなCNP-3ではなく、CNP-4を起源として、硬骨魚類や陸上脊椎動物にみられる多様な分子種を獲得していった可能性が高い。
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Research Products
(1 results)