2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 珠紀 東京大学, 大学院・人文社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 具注暦 / 年中行事 / 情報 / 政務運営 / 外記 / 陰陽師 / 修理職 / 内蔵寮 |
Research Abstract |
本年度は二年目にあたるが、朝廷諸官司の運営、儀式の運営という視点から以下の研究を進めた。朝廷諸官司の運営について。朝廷諸官司は大きく文書行政を担当する実務官司、医道・陰陽道などの特殊技能を持つ技術官司、造営などに当たり大きな経済力を必要とする官司に分類できると考えられる。本年はまず前年度に引き続き具注暦の収集・検討を行った。そして具注暦を作製した賀茂氏の検討を通して、鎌倉期の朝廷社会における技術官人層の変遷を窺おうと試みた。次にその運営に大きな経済力を要する修理職・内蔵寮の主に鎌倉期の運営体制の変化を、中世全体の変化を見通す中で検討した。これらの検討結果は「鎌倉期における暦家賀茂氏の変遷」(二〇〇四年九月「鎌倉遺文研究会」例会で報告し、『鎌倉遺文研究』一五号掲載予定)「鎌倉期朝廷社会における官司運営の変質」としてそれぞれ発表予定である。 二点目として、このような諸官司のあり方を踏まえ、朝廷儀式の位置づけ、その運営のための情報共有・分担状況を追った。朝廷・諸家では一定の時期に翌年の儀式の一部について、担当者を決める分配制度がある。その実態、儀式の分担方法、変化を考察した。また、儀式遂行に当たって参仕すべき人員がどのように把握されていたのか、同官の人物の区別をつけるための「称号」と「家名」に注目して検討を進めている。その検討経過については「吾妻鏡研究会」にて「中世社会における称号と「家」「一門」意識」として報告した。
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Research Products
(3 results)