2004 Fiscal Year Annual Research Report
選択と参加による公立義務教育学校改革における家庭と学校の行動変容に関する実証研究
Project/Area Number |
03J11511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋野 晶寛 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 学校選択制 / 公立学校改革 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、義務教育段階における学校選択制に関する文献サーヴェイ及び実証分析を平行して行った。文献サーヴェイにおいてはアメリカ、イギリスなど英国圏の教育政策・行政、政治学、経済学のジャーナル論文・著書を中心にレヴューを行い、学校選択制の政策効果及び政策過程に関する実証分析を検討した。 実証分析においてはミクロデータを用いて計量分析を行い、学校選択制における学校規模、情報の問題を考察した。まず、学校選択における学校規模の問題について、学校規模の相違が選択行動および入学後の学校参加行動を規定している点を明らかにした。また情報の問題に関しては、教員人事制度、学校編制標準・学校編制基準という学校選択制度の環境となる公立学校制度が選択の際の不確実性を生じさせ、情報の問題において大きな影響力を持ち、学校選択制の機能がと既存の公立学校制度との整合性によって規定される可能性が高い、という点を明らかにした。 また政策分析のみならず政策過程に関する実証分析にも着手している。首長、地方議員、市区町村教育委員会、校長会という各アクターの各政策段階(アジェンダ設定、政策採用)における影響力が、都道府県教育委員会-市町村教育委員会関係、教員人事制度、教員組合の態様といった都道府県間で異なる要因によって構造化される可能性に着目して、市区町村・都道府県データを用いて計量分析を進めており、来年度前半に成果をアウトプットする予定である。
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