2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 佳ふぁー 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 西洋近代科学知識 / 世界への波及 / 翻訳 / 科学知識の移動 / 国際情報交換 / 台湾:イギリス:フランス |
Research Abstract |
今年度は、科学研究補助金による研究課題の「近代中国・日本における西洋科学技術の受容」について積極的に調査を展開していた。まず、西洋近代科学知識の世界的波及の動向とその関連する研究を調査した。その中から、自らの研究課題に対しても新たな発想を得て、特に「翻訳」という一つの重要な経路として、いかにして科学知識の移転を可能とするのかを一つの原稿で仕上げた。その成果は6月27日に共立出版社で行われた第128回「数学文献を読む会」で発表することになった。 8月から約1ヶ月間は主に台湾で研究を続けた。台湾では近代中国と日本における西洋科学知識の伝播に関する新たな資料が発見されため、当地で情報収集の作業をしていた。同時に、台湾History and Padagogy of Mathematics研究グループの刊行物『HPM通訓』で、いままでの自らの研究に関する紹介を二つの文章で発表された。 11月には、ヨーロッパへ資料と研究情報の収集をし始めた。最初にイギリスの大英図書館で資料と文献の所在を調べた。それからはケンブリッジを訪問し、特に東アジア科学の研究で有名なニーダム研究所にも訪ねて、同分野の学者たちと研究のことで交流した。その後、フランスへ足を運び、まずパリでREHSEIS(精密科学と科学の制度に関する認識論的歴史的研究グループ)の「アジアにおける科学史」という連続セミナーに参加し、学者たちから研究に関する情報とアドバイスをももらった。そのきっかけで資料の収集も順調に行われた。12月に帰国した直後、東京大学大学院の中国思想研究室の研究者たちと一緒に東北大学へ訪問し、東北大附属図書館で重要な原始文献をも入手した。 1月からはそれまで収集した資料を整理しながら、研究論文を書くのも着手した。一つの新たな論文は、東京大学大学院科学史・科学哲学研究室から発行の学術雑誌『科学史・科学哲学』で発表した。またほかの論文はいまでも書き続けており、それらを発表する予定は来年度になる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 李佳ふぁー: "19世紀における西欧数学の傳番"科学史・科学哲学. 18. 41-55 (2004)
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[Publications] 李佳ふぁー: "十九世紀西洋数学在東亜的傳播"HPM通訊. 6・10. 23-24 (2003)
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[Publications] 李佳ふぁー: "修士課程畢業感想文"HPM通訊. 6・10. 25 (2003)