2004 Fiscal Year Annual Research Report
触覚情報の遠隔伝達システムに必要な触覚センサの研究
Project/Area Number |
03J11562
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神山 和人 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 触覚センサ / ロボット / バーチャルリアリティ / 計測 |
Research Abstract |
本研究における目的とは,聴覚におけるマイクとスピーカ,視覚におけるカメラとモニタのような関係,つまり情報の遠隔伝達を行うためのデバイスの開発を触覚の分野において行うことにある。上記目的に対して,これまでに遠隔伝達を行うための情報取得装置となる触覚センサの開発を行ってきた。この触覚センサはこれまでに取得することが困難であった摩擦力を計測可能である点を特長とする。昨年度において,平面計測であったセンサを曲面においても計測可能とする理論構築を行い,また,ロボットの指先へセンサを搭載させるため,指先形状のセンサの作成を行った。 本年度の研究実績として,第一に昨年度構築した曲面計測を可能とする理論を,指先形状のセンサに適用し,理論の実証を行った点が挙げられる。この実証により,より精度の高い計測が可能となった。本研究における触覚センサは,弾性体の変形情報を用いて弾性体に加わる力を逆算する,という手法を採用している。この変形情報から力情報への変換式がこれまでは理論的に算出されていたものを,経験的に得ることで理論的には算出不可能な形状においても計測可能とした。 第二に情報処理系の統合及び,高速化が挙げられる。人間の指は1本で作業を行うことは少なく,複数本の指を用いることが多い。この点からセンサは複数台用意し,ロボットの五指の先端全てに搭載されることが望ましい。しかし,センサが増えるに従い,センサと処理を行うコンピュータとを接続するケーブルの本数が増えることとなり,ロボットハンドの作業空間を狭めるという問題が発生する。そのため,これを解決するために複数台のセンサ情報を統合するための装置を開発した。この統合装置の開発により,センサからコンピュータへ送る情報の取捨選択,圧縮が可能となり,これまでより,高速センサを動作させることが可能となった。
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Research Products
(3 results)