Research Abstract |
DNAチップを利用することで,遺伝子発現量情報のみならず,ゲノムのコピー数情報を計測することができるようになった.染色体の本数などといったゲノムのコピー数は,疾患と関連している可能性が高いため,多くのサンプル内で異常値を比較できる手法が求められている.本研究ではそれらの要求を満たす解析手法を開発し,そのための可視化手法を提案した.具体的には,DNAチップから計測された情報を用い,データ補正,コピー数推定,さらにそれらの可視化を行った.特にSNP領域を利用することで,対立遺伝子の区別がつくため,対立遺伝子レベルでのコピー数の解析が可能になった.染色体バンドイメージを利用し,1つのサンプル,複数のサンプルに対する可視化手法,コピー数異常領域を検出する可視化手法を提案した.片対立遺伝子の欠損であるLOH(Loss of heterozygosity)などを検出・比較するのに適した可視化手法である.提案した手法を裸眼立体視ディスプレイなどを利用した3次元可視化に対したシステムに実装し,共同研究者に利用してもらっている.これらの成果それぞれ国際会議,学会などにて発表を行った. また,研究者からの情報発信という観点から,科学館である日本科学未来館で,VR環境を利用したゲノム関連展示を実施した.展示について,VRやヒューマンインタフェースの観点から解析し,学会発表を行った.同じく,博物館や科学館の観点から展示手法の提案として,博物館関係者の多い学会で発表を2回行い,ディスカッションを行った. 共同研究として,可視化を利用した解析を行った.肝臓ガンの遺伝子発現量解析およびラットのうつ病の遺伝子発現量解析を行い,それらを論文として公表した.
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