2004 Fiscal Year Annual Research Report
回転する非球対称白色矮星の進化・爆発モデルに基くIa型超新星の多様性の研究
Project/Area Number |
03J11585
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上西 達大 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Ia型超新星 / 白色矮星 / 近接連星系 |
Research Abstract |
20004年にはYoonらが一次元の球対称モデルによって回転白色矮星の進化を角運動量輸送、熱的進化を含めて研究し、論文として出版された。そこで回転の効果を含めた軸対称の白色矮星モデルの構造計算においてYoonらの球対称モデルによる角運動量輸送の計算結果を再現するような角運動量分布を用いた計算を行った。その結果、軸対称の計算においても角運動量分布として剛体回転を仮定した場合とは異なり、Ia型超新星の母天体としての白色矮星の質量に回転の強度による有意な差が得られることが分かった。現在は軸対称モデルにおける角運動量輸送の効果を計算するコードの改良に努めると共に、東北大学の斎尾教授の協力の下、白色表面での核燃焼と白色矮星の進化において広く受け入れられているSteady-Burningモデルに回転の効果を導入した場合の計算を行っている。回転白色矮星がIa型超新星の母天体となるためには安定した質量降着が不可欠であるため、回転の効果を伴星からの質量降着率に対する核燃焼シェルの厚み、安定性などの観点から研究を進めており、論文として投稿する予定である。 また、研究発表としては、2004年6月にイタリアパドヴァで行われた研究会"1604-2004 Supernovae As Cosmological Lighthouses"においてポスター発表、8月にアメリカワシントン大学で行われたワークショップ"Type Ia Supernovae and Cosmology"において口頭発表を行った。国内の学会では2005年3月に京都大学で行われた研究会「恒星物理学の新展開」において口頭発表、明星大学で行われた日本天文学会2005年春季年会においてポスター発表を行った。
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