2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11593
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 研志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 異方性 / D"層 / 波形インパージョン / 偏微分係数 / DSM |
Research Abstract |
本研究の目的は、上部マントル及びD"層の3次元的地震波速度異方性構造を詳細に推定することである。これらの領域には大きな異方性があると考えられており、その異方性構造は地球内部の変形や流動現象の重要な情報となる。これまでの地震波速度異方性構造の研究は主に実体波の走時もしくは表面波の位相など、地震波形データから抽出された一部の情報(2次データ)をデータとして異方性構造を推定してきた。本研究では、(実体波及び表面波をともに含む)広帯域地震波形データを波形インバージョンすることにより、高精度かつ高解像度の地震波速度異方性構造モデルを推定する。 昨年度までは高精度の理論波形および偏微分係数の計算手法の開発を行った。そこで、本年度はその手法を用いて、予備的な波形インバージョンを行った。まず、IRIS, BDSNのデータセンターより南米の深発及びやや深発の北米のアレイ観測網の良質な広帯域地震波形データを入手した。それをもとに、S/N比を比較することによりデータセットの作成を行った。次に予備的な推定として、波形インバージョンにより中米下のD"層の詳細な1次元S波等方構造推定を行った。これは、3次元構造推定および異方性構造推定のための初期モデルとなるものである。また、西太平洋下の遷移層構造推定のためのデータセットの作成を行った。F-netのデータから、Mw>5.5の良質な広帯域波形をデータセットとした。
|
Research Products
(1 results)