2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋混合層の年経年変動の実態とそのメカニズムについての研究
Project/Area Number |
03J11613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 絵美利 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 海洋表層混合層 / 海洋表層の年経年変動 / 大気海洋相互作用 |
Research Abstract |
昨年度までの本研究から、冬季混合層が浅くなる現象は1ヶ月平均では海面の冷却を伴ってい、従来の冬季海洋表層混合層の変動に関する考えを覆す結果が得られた。また日平均の海面フラックス、風速データを調べる事で、一ヶ月平均では冷却でも短期的に加熱がある事で一ヶ月平均の混合層が浅くなる可能性を検討し、2月から3月の混合層が浅くなる現象の半分以上は説明できるが、1月から2月の混合層が浅くなる現象は説明できない結果が得られていた。 この結果を受け、本年度はまず数値モデルを作成し、上記の検討をさらに高精度高分解能で行った(国内学会:日本海洋学会において口頭発表)。また得られた結果が外力として与えるデータセットに大きくよらない事を示すため、データの種類を4つに増やした。結果として、2月から3月の混合層が浅くなる現象は30〜60%程度説明でき、1月から2月の混合層が浅くなる現象は4〜35%説明できる可能性が示唆された。また、歴史的に蓄積された現場観測データを用い、温度などの鉛直分布が表層混合層が浅くなる海域においてどのような特徴を持つかを調べ、混合層底付近だけでなく、海面付近にも躍層が存在するようなプロファイルが多い事がわかった。(国内学会:日本海洋学会において口頭発表)。 本年度の研究から、鉛直一次元的な解釈により冬季混合層が浅くなる現象が半分程度かそれ以下で説明できる可能性が確認された。よって残りの部分を説明するためには今まで考慮に入れられてこなかった水平3次元的な効果を考えなくてはならない事が明らかになった。
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Research Products
(1 results)