2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11628
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三谷 烈史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 硬X線 / ガンマ線 / テルル化カドミウム / コンプトンカメラ / ガンマ線バースト / 粒子加速 / Swift衛星 / テルル化亜鉛カドミウム |
Research Abstract |
現代宇宙物理に残された大きな謎であるガンマ線バーストの「中心エンジン」の解明を目指し、昨年に引き続き、次世代の衛星搭載を見据えたガンマ線検出器の開発を進めるとともに、2004年11月にアメリカで打ち上げられたガンマ線バースト探査衛星Swiftの打ち上げ直後の軌道上キャリブレーションをNASAゴダード宇宙飛行センターに赴き、行った。 半導体コンプトンカメラに必要不可欠であるテルル化カドミウム撮像分光検出器をより高性能にするために、詳細な評価を行い、次の試作に向けての問題点の洗い出しを行った。その結果とコンプトンカメラ試作器の性能をまとめ、天文学会2004年秋季年会にて発表した。 本研究課題を遂行する上で鍵となるSwift衛星の主検出器であるBAT検出器は、3万2千個のテルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)から構成され、このエネルギー応答関数を構築するためには、検出器1つ1つの特性の理解と、3万2千チャンネルからなるアナログLSI("XA")の特性評価が必要不可欠である。また、CdZnTeもXAも初めて宇宙観測に用いられるものであり、衛星軌道上でその特性を評価することにより、衛星搭載用の半導体コンプトンカメラを開発する上でも貴重な知見を得ることができる。応答関数の構築作業のために現地に赴き、打ち上げ前の地上試験で得られた特性データをもとにつくられた応答関数について、衛星軌道上で実際の天体を観測してその精度を検証した。標準的なX線天体の実際の観測データを解析し、CdZnTe、LSIの特性データの評価を詳細に行い、応答関数の精度向上を図った。
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