2004 Fiscal Year Annual Research Report
時間領域テラヘルツ偏光分光法による固体の磁気光学効果の研究
Project/Area Number |
03J11671
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井野 雄介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 位相復元アルゴリズム / THzイメージング |
Research Abstract |
本研究ではTHz電磁波パルスを用いた反射配置での磁気光学時間領域分光測定法の開発を行っているが、本年度は主にTHz時間領域分光システムについて、解析アルゴリズムの開発を行った。また測定系全体を改造し、2次元イメージング測定が可能になった。 時間領域反射測定においては、測定試料と参照試料の相対位置に応じて、測定された複素反射率の位相中に周波数に比例した成分が含まれる。典型的には測定試料と参照試料の相対的なずれは10μm程度に達するが、対応する位相成分は1THzの電磁波において0.2radに達し、測定された複素反射率に対してスペクトル解析を行う上で無視できない。 我々は因果律から導かれるSingly-subtracted Kramers-Kronig変換法(SKK)に注目し、Joensuu大のPeiponen教授らと共同研究を行い、測定された複素反射率位相から測定試料の相対位置に対応した成分を抽出するアルゴリズムを開発した。この方法は、測定された位相をSKK変換して測定された反射率と比較することにより、測定試料の相対位置を決定するものである。このアルゴリズムによって、測定された複素反射率について、測定試料の誘電応答に起因する成分と測定試料の相対位置に起因する成分の分離を波形処理のみで行うことが可能になった。 更に、上記のアルゴリズムをイメージ測定に応用した。試料上の各点において複素反射率を測定し上記のアルゴリズムを適用すると、測定点の相対位置と試料の誘電応答が同時に求められる。これを試料を走査しながら行うことで、試料における表面形状と物質の分布が同時に求められる。このイメージング法を用いて、金属・半導体が混じり合った試料について、その表面形状と金属・半導体の分布を同時に決定することに成功した。
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Research Products
(2 results)