2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザープラズマX線による時間分解X線イメージング
Project/Area Number |
03J11679
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 猛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザープラズマX線 / 時間分解イメージング / レーザー航跡場加速 / フェムト秒電子ビーム / フェムト秒X線パルス / プラズマカソード |
Research Abstract |
X線は高い透過力を持つことから、今日に至るまで医療診断や非破壊検査など様々な分野で物体の内部透視に用いられてきた。従来の固体レーザープラズマX線源(ピコ秒X線パルス)については、X線強度の増強を目指し、ターゲットの形状を平板からピラミッド状にして実効的なレーザーの集光強度を大きくすることによって、プラズマ中の電子のエネルギーを増大させ、発生するX線量を増加させる実験を行い、X線強度の増加を確認した。さらに、ピコ秒よりも時間スケールの短いフェムト秒時間分解X線測定を目指し、レーザーとプラズマの相互作用によるレーザー航跡場加速を用いたフェムト秒電子ビーム生成を図った。具体的には、PICシミュレーションコードによる計算によって、まず、レーザー入射時の真空・プラズマ境界におけるプラズマ電子密度勾配がプラズマ波長程度に急峻であると、生成電荷量が20倍増加することを示した。次に、プラズマ中のチャネルで起こる瞬時入射による電子エネルギーの準単色化を示した。さらに、電子バンチからの遷移放射をボロメータで測定することによって、電子バンチ形状をガウス分布と仮定すると180fsから290fs(FWHM:半値全幅)であることがわかった。つまり、40fsのレーザーパルスとこの電子バンチの衝突時の相対論的トムソン散乱によって、およそ200fsから300fsという極短フェムト秒X線パルスの生成が見込まれる。しかも、このシステムのタイミングは全て最初のレーザーパルスのタイミングによって決定され、従来の電子加速器における時間分解測定等に存在する時間ジッターが無いため、フェムト秒時間分解X線イメージングを可能にする唯一の装置である。
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Research Products
(1 results)