2005 Fiscal Year Annual Research Report
統計物理学と数理工学との融合及びその応用に関する研究
Project/Area Number |
03J11691
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊泉 太郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経活動 / 点過程 / シナプス / フィッシャー情報量 / スパイク / 国際情報交換 / スイス |
Research Abstract |
脳による情報表現の解明は神経科学の大きな問題である。神経細胞の活動にどれほどの情報が含まれるか、どのように読み取るか、また解剖学的・分子生物学的知見と機能の関係がどのように結びつくかを明らかにすることは重要である。本研究では活動電位を発する神経細胞モデルを用い、その情報伝達に関しての解析を行うことで、解剖学的・分子生物学的性質が、脳の情報表現に与える影響を計算した。 特に、神経細胞集団からスパイク列を観測した場合にどの程度の精度で刺激のパラメーターを推定できるかを、フィッシャー情報量を用いて定量的に評価した。先行研究の多くが発火率からのパラメーター推定を問題にしているのに対し、本研究では発火率から得られる情報と発火時刻から得られる情報を個別に評価し、それらがシナプス結合や神経細胞の不応期といった特徴に応じてどのように変化するかを導いた。定常な刺激に対してフィッシャー情報量を見積もった先行研究は多いが、本研究では時空間構造をもつ刺激の推定に関してフィッシャー情報量を見積もり、さらに最適なシナプスの結合を導いた。
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Research Products
(3 results)