2004 Fiscal Year Annual Research Report
統計物理学と数理工学との融合及びその応用に関する研究
Project/Area Number |
03J11691
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊泉 太郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 学習 / 情報理論 / 計算神経科学 / スパイク統計 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
脳は高度な情報処理を行う回路として数理工学の観点からも注目を集めている。また脳の回路は環境に適応して自己組織化されることが知られている。本研究では統計力学的解析手法を用いてスパイク神経モデルに対する入出力相互情報量の最大化原理から導かれるシナプス強度に関する最適学習則を定式化した。 発達期における視覚野神経細胞の組織化のモデルとして導入されたBienenstock-Cooper-Monroe(BCM)則は生理実験によってもその性質が確認されているが、特にポアソン発火ニューロンに対して、今回求められた最適学習則はBCM則に予言された下記の2つの特徴を有する。即ち出力ニューロンの発火率に依存する長期増強、長期衰弱曲線及び平均発火率に依存する閾値である。 更に今回の定式化は不応期等のスパイク時刻相関を持つスパイク神経モデルに対しても一般化が可能である。得られた最適学習則はシナプス競合、恒常性、入力系列の強度相関検出というBCM則特有の性質をもつ他、入力系列のスパイク時刻相関検出という特徴も有する。さらに導出された学習則と実験的に確かめているスパイク時刻依存性の間の共通点を示した。
|
Research Products
(2 results)