2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面モレキュラーインプリンティング法による不斉金属錯体触媒の構築と不斉触媒作用
Project/Area Number |
03J11741
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唯 美津木 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モレキュラーインプリンティング / 固定化金属錯体 / テンプレート / 表面活性構造 / XAFS / 不斉触媒反応 / 形状選択性 / 分子認識 |
Research Abstract |
人工酵素型の高い立体形状選択性、分子認識能を有した新規触媒表面の構築のために、酸化物表面上に固定化した新規金属錯体触媒およびその表面におけるモレキュラーインプリンティングを組み合わせた表面インプリンティング触媒を提案した。Rh-アミン錯体を配位させた新規シリカ固定化Rh単核錯体を調製し、テトラメトキシシランを用いてモレキュラーインプリンティングを行い、表面マトリックスを作成した後、テンプレートとしたアミン配位子を脱離させることにより、配位不飽和な活性Rh種とその近傍のテンプレート形状の反応空間キャビティーを設計した。実際、前駆体錯体及び表面固定化錯体はアルケン水素化反応に活性を示さなかったが、表面インプリント触媒のみが高い活性と高い選択性を示した。形状の異なるアミン配位子を反応阻害剤として導入したところ、表面の反応サイトの阻害効果に顕著な差が見られ、アミノ配位子の立体形状に応じた高い立体選択能を有していることがわかった。 製薬などの分野で需要の高いアミン類の直接合成ヒドロアミネーション反応は、非常に有用な有機合成反応のひとつであるが、アルケンの活性化が困難であることからアルケンに直接アミンを付加するアルケンのヒドロアミネーション反応は殆ど報告されていなく、特に取り扱いの簡便な不均一系触媒の報告例は全くない。シリカ、アルミナ、チタニア表面に固定化したPd錯体がアルケンのヒドロアミネーション反応に高活性を示し、再利用可能な優れた触媒であることを見出した。 いまだ有効な設計法が確立されていない表面の不斉触媒反応のために、不斉V錯体を利用した新規不斉固定化錯体触媒を設計し、シリカ表面において2つのバナジウム単核錯体が自発的に不斉会合して、新規の不斉ダイマー構造を形成することを見出した。2-ナフトール不斉カップリング反応に90%の高い不斉選択性(現在世界最高)を示すことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)