2005 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解NEXAFS法の開発とそれを用いた表面動的過程の研究
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03J11744
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 郁代 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NEXAFS / X線吸収分光 / 時間分解 / 表面反応 / 触媒反応 / 反応機構 / 反応速度論 / XPS |
Research Abstract |
これまで装置の立ち上げを行ってきた高エネ研放射光施設を今年度前半使用することができなかったので、海外の施設で関連実験を行った。まず、スウェーデン国立放射光施設MAX-IIにおいて、高速X線光電子分光(fast XPS)を用いて、Pd(111)表面におけるCO酸化反応の機構解明のための実験を行った。Pd(111)表面において原子状酸素は、3種の異なった凝集構造をとるが、それぞれがCOに対して全く異なった反応性を示すことを明らかにした。昨年度までに研究を行ったPt(111)表面における同反応の機構に関する知見と合わせて、白金族表面上のCO酸化反応一般における吸着種間相互作用の重要性を示すことができた。 次に、アメリカのAdvanced Light Sourceにおいて、ガス雰囲気下XPSの実験を行った。通常のXPSでは、高真空化でしか測定を行うことができないが、この手法では実触媒の動作条件に近い条件で測定を行える。NOx還元触媒のモデル系としても重要なPt(111)表面上のNO分子の吸着に着目した。超高真空下では観測されない吸着状態が、NOガス圧に応じて複数観測された。 今年度後半、高エネ研放射光施設が使用できるようになってから、時間分解NEXAFS装置の高度化に取り組んだ。これまで、チョッパーを用いてX線を切ることで時間分解測定を行っていたが、この方法では時間分解能が10ミリ秒程度であった。そこで、検出器のCCDカメラを高速ゲートのかけられるものに替えて、時間分解測定を行えるようにした。これにより、最高で500マイクロ秒の時間分解能を達成した。このセットアップを用いて、上述のガス雰囲気下XPSの知見をもとに、NO/Pt(111)系の時間分解NEXAFS, XPSの実験を行った。その結果、NO分子線照射によって新しい吸着状態が生じ、1ミリ秒以下でもとの状態に戻ることを見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Adsorption states of dialkyl ditelluride autooxidized monolayers on Au(111)2005
Author(s)
T.Nakamura, T.Miyamae, I.Nakai, H.Kondoh, T.Kawamoto, N.Kobayashi, S.Yasuda, D.Yoshimura, T.Ohta, H.Nozoye, M.Matsumoto
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Journal Title
Langmuir 21,8
Pages: 3344-3353
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[Journal Article] Metal-induced gap states in epitaxial organic-insulator/metal interfaces2005
Author(s)
M.Kiguchi, R.Arita, G.Yoshikawa, Y.Tanida, S.Ikeda S, S.Entani, I.Nakai, H.Kondoh, T.Ohta, K.Saiki, H.Aoki
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Journal Title
Physical Review B 72,7
Pages: 075-446
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