2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11747
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 穣里 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 相対論 / 4成分理論 / 積分変換 / 量子化学 |
Research Abstract |
4成分Dirac法に基づいた分子軌道積分変換プログラムの開発 多電子系Dirac方程式を直接解く4成分法は相対論効果の影響が大きい重原子を含んだ化合物の計算に有効である。しかしながら4成分法は計算コストの高い理論であり実用に関しては課題が残っていた。最近本研究室において効率的で高速な4成分原子軌道積分計算、Dirac-Hartree-Fock法、Dirac-Kohn-Sham法が開発されている。これらはこれまでに開発されている4成分理論に比べて、計算コストの向上の面でも理論的な正しさという面でも非常に優れている。この優位性を生かした応用計算が可能になるよう本研究ではさらに、高速な4成分積分変換プログラムを開発した。積分変換とは電子相関理論を考慮するために不可欠な演算であり、演算が基底関数の5乗に比例するという計算コストの高いルーチンである。このため効率的なアルゴリズムが重要になる。今回の開発により従来に比べて短い計算時間で電子相関の取り込まれた定量的な結果を得ることが可能となった。具体的に従来の代表的なプログラムMOLFDIRやDIRACに比べると、Au_2分子の計算において本研究のプログラムでは4〜8倍速いことが実証された。またTIH分子に対しては、高精度電子相関理論の一つであるCCDS(T)法に接続することで実験値に対して非常によい一致が得られた。(計算値(実験値):R_e=1.862(1.866)Å,ω_e=1404(1391)cm^<-1>,D_e=2.10(2.06)eV)このことから本研究の手法を用いることで相対論的にも電子相関的にも精度の高い計算が行えることが示された。
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Research Products
(1 results)