2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11748
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 祥一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光機能性材料 / 逆オパール構造 / 光学特性 / 液晶 / 相転移 |
Research Abstract |
単分散のポリスチレン微粒子を用い、自己集合のひとつである垂直沈殿法によりオパール構造膜を作製した。これを鋳型として、引き上げ法により空隙をシリカで充填し、500℃で〓焼することにより、シリカの逆オパール構造膜を作製した。本年度はこの構造膜を基本材料として用いた。 シアノビフェニル系の4種類の液晶(5CB;4-ペンチル-4'-シアノビフェニル、6CB;4-ヘキシル-4'-シアノビフェニル、7CB;4-ヘプチル-4'-シアノビフェニル、8CB;4-オクチル-4'-シアノビフェニル)を、逆オパール構造の空隙に浸透させ、ホット・コールドステージにより温度を制御し、相転移前後の光学特性の変化を観察した。光学特性は、反射スペクトルの測定により評価した。この結果、ネマチック相と等方相との間の相転移により、光学特性が大きく変化することが確認された。さらに、液晶の配向をそろえる処理をすることにより、反射スペクトルのピーク波長を制御できることが可能であることを示すとともに、液晶が逆オパール構造の空隙においてどのような状態をとっているかを明らかにすることに成功した。エステル結合を有する液晶では、上記のような配向は得られなかった。このことから、液晶分子の構造が、配向に影響を与えることが示された。 さらに、シアノビフェニル系の液晶を用いた場合に、相転移前後での光学特性の変化は、実際に色の変化として観察することにも成功した。ネマチック相では白濁しているのに対し、等方相においては、鮮やかな赤色を示し、これは反射スペクトルのピークが約600nmに観測されることと一致している。可視光の範囲でピークの変化を示すためには、200から300nmの粒径を有することが適当であると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 久保 祥一: "液晶を導入した逆オパールの外場応答"第52回高分子討論会. (2003)
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[Publications] 久保 祥一: "光応答性液晶を導入した逆オパールの光学特性"2003年日本液晶学会討論会. (2003)
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[Publications] 久保 祥一: "シリカ逆オパールの空隙における液晶の光相転移"日本化学会第84春季年会. (2004)