2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J11748
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 祥一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光機能性材料 / 逆オパール構造 / 光学特性 / 液晶 / 光相転移 / 電場応答 |
Research Abstract |
シリカの逆オパール構造膜を作製し、その空隙に光応答性液晶を導入することにより、光応答性フォトニック結晶の作製に成功した。ここで用いた光応答性液晶は、ネマチック液晶5CB(4-ペンチル-4'-シアノビフェニル)にAzoLC(4-ブチル-4‘-メトキシアゾベンゼン)を3%の割合で混合して調整したものである。この混合液晶は、紫外光の照射によりネマチック相から等方相へ、可視光の照射により等方相からネマチック相へと可逆的に光相転移が誘起される。これを逆オパール構造膜に導入することにより、光学特性を光照射によって変化させることが可能であり、これは色の変化として肉眼でも確認された。また、フォトマスクを通して光照射することにより、パターニングが可能であることが分かった。解像度は最大で50μm程度であった。この材料によって表示される色は、逆オパールの周期間隔に依存し、種々の粒子径を有する試料を作製することにより、様々な色の発現が可能である。さらに、偏光板などを用いることなくパターンの表示が可能である点が有利である。 次に、光応答性フォトニック結晶に別の外部刺激応答性を付与する検討をおこなった。ポリマーによる逆オパール構造膜を作製し、これをITOガラスで挟み、空隙に光応答性液晶を導入した。そして、交流電場を印加したところ、光学特性が大きく変化した。これに紫外光を照射したところ、さらに異なる状態へと変化した。これにより、電場と光の組み合わせにより、初期状態を含めて3種の異なる状態間の切り替えが可能になることが明らかとなった。このような材料は、複数の外部刺激により制御可能な光学デバイスとして応用が期待される。
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Research Products
(4 results)