2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症におけるMT-MMPの機能解析と治療法の開発
Project/Area Number |
03J11780
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 毅治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MMP / 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
1生理的条件下でのMT1-MMPおよびMT4-MMPの腎臓での発現解析 LacZ遺伝子をノックインしたMT1-MMPおよびMT4-MMP欠損マウスを用いてX-gal染色により各MT-MMP発現細胞を腎臓組織切片で解析を行った結果、糸球体においてMT1-MMPが内皮細胞に、MT4-MMPがメサンギウム細胞に強く発現していることが確認された。 2糖尿病性腎症発症によるMT-MMPの遺伝子発現のプロファイリング STZを投与し実験的に糖尿病を発症させたマウスの腎臓での遺伝子発現を解析した結果、コントロール群に比べてMT2-MMPの発現量が約半分に減少していることが明らかとなった。しかし他のMT-MMPに関しては特に有意な変化は見られなかった。 3糖尿病性腎症発症によるMT1-MMPの発現解析および機能解析 MT1-MMP遺伝子領域にLad乙遺伝子をノックインしたマウスをSTZで糖尿病を発症させ、腎臓組織切片のX-gal染色を行った結果、糖尿病性腎症の発症に伴って糸球体内に浸潤してくるマクロファージに染色が確認できた。基底膜類似の組成を持つマトリジェルをコートしたトランスウェルを用いた浸潤能解析の結果、MT1-MMP欠損マクロファージでは野生型に比較して約1/5に浸潤能が低下していることが明らかとなった。また、トランスウェルだけを用いてマクロファージの運動能を解析した結果、野生型に比べMT1-MMP欠損マクロフアージでは運動能が約半分に低下していることが明らかとなった。
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