2004 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の運命決定に関与する因子の同定及び機能解析
Project/Area Number |
03J11787
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
平澤 竜太郎 国立大学法人総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員DC1
|
Keywords | DNAメチル化 / エピジェネティクス / ゲノムインプリンティング / Dnmt / 幹細胞 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
幹細胞における未分化性維持、及び運命決定へのエピジェネティクスの関与解析する事を目的に、ゲノムDNAのメチル化による遺伝子の発現制御とゲノムの動態の研究を行った。 ゲノムDNAのメチル化が細胞の分化・未分化の決定に大きく関与している事は良く知られており、細胞の初期化や幹細胞の維持にもこのDNAメチル化によるエピジェネティックな制御が重要である事が示唆されている。そこでマウス初期胚及び生殖細胞におけるゲノムDNAのメチル化・脱メチル化及びメチル化維持の制御機構は、幹細胞における未分化性の維持と脱分化の解析において良いモデルとなると考え、造血幹細胞を初めとした様々な幹細胞への応用も視野に入れ、マウス初期胚におけるDNAメチル化酵素(Dnmt)の解析を行った。マウス初期胚ではゲノムワイドな脱メチル化が起こる一方で、ゲノムインプリンティングのメチル化は維持される。このメチル化の消去と維持が同時に行われる過程において、Dnmtがどのように関与しているのか調べた。 新規メチル化酵素であるDnmt3a、Dnmt3bのコンディショナルノックアウトマウスを用いる事により、生殖細胞特異的にDNAメチル化酵素をノックアウトして、初期胚におけるゲノムインプリンティングの維持をへの関与を調べたところ、Dnmt3aおよびDnmt3bのダブルノックアウト胚においてもインプリントのメチル化は維持されていた。そこで維持メチル化酵素であるDhmt1の関与を調べるためにこコンディショナルノックアウトマウスの作製を試みた.現在Dnmt1をターゲットしたES細胞の樹立及びキメラマウスの作製を行っている。また、初期胚における各DNAメチル化酵素の細胞内の局在を調べるために、初期胚を用いた免疫染色の実験系を立ち上げた。これにより、Dnmt3bが着床前の胚において強く核内に局在している事が明らかになった。
|