2004 Fiscal Year Annual Research Report
サル前頭葉における記憶想起の神経機構:高磁場fMRIと単一細胞記録による研究
Project/Area Number |
03J11804
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 実 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高磁場fMRI / マカクザル / 事象関連fMRI |
Research Abstract |
本プロジェクトに必須である認知課題遂行中のサルを対象とした事象関連fMRI法を、4.7T高磁場MRIシステムを用いて行う方法論の最適化を行った。 まず、個体によっては非常に問題となるサルの体動に伴うアーチファクトを抑える為に、四肢用のセンサーを取り付けたMRチェアを開発し、課題遂行中に四肢をセンサーの位置に置くことを学習させた。視覚刺激のパラダイムを用いてこれらのシステムの有用性を検証したところ、従来と比較してより少ない実験時間で有意な脳活動を検出できる事が分かった。 さらに、分割数の少ないEPI画像を取得する際に問題となる、画像の歪み等の磁場不均一性アーチファクトを改善するために、新式頭部固定具を開発した。侵襲性を大幅に抑え、磁場不均一性を更に抑えた素材で作成することにより、分割数を減らした場合にも、固定具をつけない状態とほぼ変わらない画像を得ることに成功した。また、側頭葉近傍の骨等によって生じる内因性の画像の歪みを改善するために、磁場の不均一性を計測し歪みを補正するシステムを開発した。その結果、分割数の少ないEPI法を用いて、事象関連fMRI法に必要な時間解像度を保ちつつ全脳を撮像できるようになり、それから体動アーチファクトの影響を低減することも可能になった。 以上の開発により、本実験に必要な水準にまで事象関連fMRI法を最適化することに成功し、本実験に進むことが可能となった。 また現在並行して、高いSN比を持つ高磁場MRIシステムを用いて、非侵襲的に細胞外記録用微小電極の皮質内の位置を高い空間解像度で推定するための方法論を開発しており、本実験において行う電気生理実験に応用する予定である。
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