2003 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌におけるA-factor制御カスケードの解明
Project/Area Number |
03J11830
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 放線菌 / A-ファクター / ArpA / AdpA / 転写制御 / 形態分化 / トリプシン |
Research Abstract |
本年度行った研究域果は主どして2点拳げられる。まず1点は、シグナルカスケードを担うA-ファクター受容体(転写因子ArpA)の機能解析を詳細に行ったことである。遺伝子破壊株の作製・解析によりArpAが転写抑制因子であることを再確認し、A-ファクター非結合型ArpAを発現する変異株の作製・解析により標的が転写活性化因子adpAのみであることを明らかにした。また、これらとadpA遺伝子破壊株をあわせた解析からA-ファクター生産の制御にはAdpAが大きな役割を持っでいることも明らかにした。これらを通じて制御機構の詳細がより明らかとなり、他種とは異なる独特の制御機構であることも示された。この成果は雑誌論文として発表予定である。もう1点はA-ファクターシグナルを経てAdpAによって転写活性化されるプロテアーゼとして2つのトリプシン遺伝子の解析を行ったことである。sprTについては以前にAdpA依存的なトリプシン遺伝子として取得していたが、その後さらにパラログであるsprUを新たに取得しこれもAdpA依存的であることを示した。詳細な解析をすすめ、これらの遺伝子がAdpA依存的な転写をすること、AdpAがこれらの遺伝子のプロモーター周辺に結合することを示し、さらにAdpA非結合型の変異導入によりこれらの遺伝子の転写量が激減することを示した。以上から2つのトソプシン遺伝子はAdpAによって直接的に転写活性化されることを証明した。機能についてはsprT遺伝子破壊株、sprU遺伝子破壊株、およびsprT、sprU遺伝子同時破壊株を作製し現在解析中であるが、胞子形成に関与することが示唆されている。こちらについても近々雑誌論文として投稿予定である。
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