2004 Fiscal Year Annual Research Report
ツメガエルの細胞接着と受容体に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
03J11882
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
乾 雅史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ツメガエル / 受容体 / OMP25 |
Research Abstract |
1.ミトコンドリア外膜蛋白質として単離されたOMP25はツメガエルにおいて主に神経領域に発現の局在が見られた。OMP25の役割を解明することを目的としてMorpholino antisense oligonucleotide(MO)を用いて機能阻害を行った所、外形からは頭部構造の異常が、薄切切片からは正常な神経管構造の形成阻害が観察された。OMP25は、アクチビン受容体と結合することが知られているARIP2とその結合ドメインを共有していることからアクチビンシグナルに関与する可能性が考えられたが、GSTプルダウンアッセイの結果OMP25とアクチビン受容体との結合は観察されず、アニマルキャップを用いた実験系においてもOMP25の過剰発現はアクチビンによる中胚葉誘導に影響を与えなかったことから、OMP25はアクチビンシグナルには関与しないことが示唆された。また、OMP25はミトコンドリアに局在することからアポトーシスに関与することが考えられたが、TUNEL法を用いて検証した結果、OMP25の過剰発現及び機能阻害は細胞の生存に影響しないことが示された。 2.アクチビンによって誘導されることが示された受容体、Xmsrとそのリガンドであるapelinについて解析を行った。Xmsrの哺乳類ホモログAPJとそのリガンドapelinは主に脳及び血管に発現し、直接、間接的に循環器系の機能調節に関与することが知られている。Xmsrは初期発生において血管に発現することが知られているがその機能については未知であった。我々はツメガエルにおけるapelinを単離し、MOを用いた機能阻害によってXa ; elinとXmsrの初期発生における機能について解析した。その結果、Xapelin-Xmsrのシグナルは血管形成のみならず血球や心臓などの中胚葉性組織の形成に必要であることが示唆された。
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