2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト・マウス培養細胞及びマウス個体におけるRNAi関連遺伝子の機能解析
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03J11901
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土井 昇 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNAi / Dicer / eIF2C1 |
Research Abstract |
eIF2C1及びDicerに対する特異的抗体を用いてヒト、マウスの培養細胞の免疫染色を行ったところ、両者共に細胞質、特に核の周辺部において強いシグナルが確認され、また、シグナルが重なっているように見えた。この結果はeIF2C1及びDicerが相互作用しているという試験管内での結果を支持していると考えられる。 タンパク質レベルでのeIF2C1及びDicerの機能解析を進めるため、これらのタンパク質の発現系を構築し、発現、精製を試みた。まず初めに大腸菌を用いた発現系を検証したところ、eIF2C1及びDicer共に完全長のタンパク質が発現したものの不溶化して封入体となってしまった。融合させるタグや発現条件をいろいろと検討しても改善が見られなかった。 次に、小麦胚芽抽出液を用いた発現系を検討したが、大腸菌発現系と比較して大きな改善はみられず、不溶化して沈殿してしまった。 さらに、大腸菌や小麦と比べてより哺乳類に近い昆虫細胞を用いた発現系を立ち上げ、同様の検証を行ったところ、Dicerの完全長のタンパク質が可溶化した状態で発現した。これを精製して機能を解析した結果、二本鎖のRNAを切断する活性が確認でき、さらに、基質の切断活性及び切断産物の長さのpH依存性に関してこれまでに知られていなかった事実を確認できた。 eIF2C1の完全長に関しては昆虫細胞発現系を用いても可溶化した状態で発現せず、また、同じfamilyの他のタンパク質(eIF2C2-4及びmiwi, mili)を検証しても同様に不溶化して発現したため、部分断片の発現、精製に切り替えた。その結果、C末端側を含まないタンパク質ならば可溶性で発現することが分かり、これを用いて機能解析を行ったところ、eIF2C1の中央部分に位置するPAZドメインに、RNAiのガイドの役割を担うsiRNAと結合する強い活性があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)