2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウナギの新規グアニリンファミリーとその浸透圧調節作用
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03J11913
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
弓削 進弥 東京大学, 海洋研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グアニリン / ウナギ / 浸透圧調節 / 腸 / 吸収 / グアニル酸シクラーゼ / cGMP / ホメオスタシス |
Research Abstract |
2003年は新たにグアニリンファミリーの受容体の研究を試みた。リガンドと受容体の双方から機能を明らかにしていくためである。 まずウナギにおいて、グアニリンファミリーの受容体「グアニル酸シクラーゼCタイプ(GC-C)」遺伝子のクローニングを行い、哺乳類では1種類のGC-Cしか知られていなかったが、ウナギでは2種類のGC-Cを同定できた(それぞれGC-C1、GC-C2とした)。ウナギのGC-C1、GC-C2ともに、コード領域の全長、及び予想される内部構造は哺乳類GC-Cとほぼ同じであったが、リガンドが結合する細胞外領域の配列は、GC-C1とGC-C2で53%の相同性しかなかった。さらに組織発現を調べた結果、ともに腸と腎臓が主な発現部位であったが、GC-C2は、食道、胃、頭腎でも発現が検出された。これらの結果から、ウナギでは、3種のリガンドが2種の受容体に異なって結合する可能性が予想された。 リガンドと受容体の関係を明らかにするために、グアニル酸シクラーゼ遺伝子の発現系が確立されている北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻生体情報分子学講座IIIの研究室(鈴木範男教授)に出向し、COS7細胞で受容体を発現させ、そこに3種のリガンドを投与し、cGMPの産生能を調べ、3種のリガンドと2種の受容体の親和性の違いを調べた。現在、習得した発現系を自分の研究室で立ち上げ、同実験を行っているところである。また、北大の同研究室では、メダカのGC-C遺伝子を2種同定しており、そちらの研究にも共同研究者として参加していくことに決まり、グアニリンファミリーの浸透圧調節の研究を幅広く行っていく予定である。 また、グアニリンの合成ペプチドをヨード化し、血中濃度を測定する準備も終え、これからRIAで血中濃度を測定していく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yuge, S., Inoue, K., Hyodo, S., Takei, Y.: "A novel guanylin family (guanylin, uroguanylin, and renoguanylin) in eels : possible osmoregulatory hormones in intestine and kidney"Journal of Biological Chemistry. 278. 22726-22733 (2003)