2004 Fiscal Year Annual Research Report
分岐分析の手法を用いたジュラ紀-白亜紀アンモノイド類の系統解析
Project/Area Number |
03J11914
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 由紀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アンモノイド類 / 系統解析 / 多系統 / 分岐分析 |
Research Abstract |
平成16年度は昨年度から引き続き白亜紀のアンモノイド類について,特に下部白亜系から中部白亜系の化石試料に基づく解析を継続して行った.博物館試料,先行研究における試料,また一昨年度から昨年度における野外調査により得られた試料を用いて走査型電子顕微鏡による内部殻体構造の詳細な観察を行い,得られた結果をデータマトリックス化しコンピュータソフトウェア"PAUP"を用いて系統解析を行った.その際にはこれまでに得られた中部〜上部白亜系のアンモノイド類のデータも用いて,白亜系全体のアンモノイド類の系統を解析した.また,今年度は白亜紀アンモノイド類の初期殻における第一,第二縫合線のデータも併せて文献よりコンパイルし,新たにデータマトリックスに加えた.その結果,従来単系統性が疑問視されてきた白亜紀アンモナイト亜目の数超科について多系統性を示唆する系統樹が得られ,白亜紀のアンモナイト類が多系統であることが新たに明らかになった.これらの成果は2004年9月16日から19日までアメリカ合衆国のアーカンソー州で開催された第6回国際頭足類学会においてポスター発表した.また,同学会のプロシーディングスに投稿予定であり現在準備中である.また,2005年2月19日から3月3日まで,宮城県東部歌津-志津川地域における本邦中部三畳系から白亜系における地質調査を併せて行い,系統解析の際の外群として使用可能なCeratite類アンモナイトHollanditesを得た.ジュラ系についてはいくつかの化石試料が得られたものの,保存状態が不良のため,微細構造の観察には適さないことが分かった,これらの試料は今後も引き続き使用予定である.
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Research Products
(1 results)