2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻におけるフィコビリソームから光化学系Iへのエネルギー伝達機構に関する研究
Project/Area Number |
03J11919
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 玉輝 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 強光応答 / 光合成 / シアノバクテリア / エネルギー伝達 / 光化学系 / フィコビリソーム / PsaK2 / Sll1961 |
Research Abstract |
シアノバクテリアにおいて強光下でフィコビリソームから光化学系Iへのエネルギー伝達に光化学系I複合体サブユニットのPsaK2が関与していることを明らかにし、この結果をJournal of Biological Chemistryに投稿し、結果として受理された。 また、強光下でシアノバクテリアは光化学系Iと光化学系IIの量比を調節していることが知られている。これも前年度までに、転写調節因子の一つであるSll1961が、この光化学系量比調節に関与していることを明らかにし、Plant Physiologyに投稿し、結果として受理された。 次に、Sll1961転写因子の下流に着目した。DNAマイクロアレイ解析の結果、slr0364の発現がsll1961遺伝子破壊株で抑制されていたので、この結果をまずリアルタイムRT-PCRで確認した。さらに、slr0364遺伝子破壊株を作製し、強光下のおける光化学系量比調節を調べた。その結果、Slr0364が部分的に光化学系量比調節に関与していることが明らかになった。シアノバクテリアのゲノム上ではslr0364遺伝子の下流にslr0364と相同性を示すslr0366遺伝子が位置している。slr0366遺伝子破壊株を作製し、光化学系量比調節を調べると、Slr0366も部分的に光化学系量比調節に関与していることが明らかになった。さらに、slr0364slr0366二重遺伝子破壊株を作製し、光化学系量比調節を調べたが、付加的な表現型は観察されなかった。したがって、Slr0364とSlr0366は同一の経路で光化学系量比調節に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)