2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻におけるフィコビリソームから光化学系Iへのエネルギー伝達機構に関する研究
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03J11919
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 玉輝 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シアノバクテリア / 光合成 / 強光応答 / state transition / 光化学量比調節 / PsaK2 / フィコビリソーム / Sll1961 |
Research Abstract |
シアノバクテリアにおいて強光下でフィコビリソームから光化学系Iへのエネルギー伝達に光化学系I複合体サブユニットのPsaK2が関与していることを、前年度までに明らかにし、これをJournal of Biological Chemistryという雑誌に今年度投稿した。その結果、2つの追加実験を要求された。強光下で増加したタンパク質はPsaK2であることを、SDS-PAGEをした後、バンドをゲル内トリプシン消化を行ない、MALDI-TOF MSで確認した。また、フィコビリソームから光化学系Iへのエネルギー伝達を測定するために、パルス変調蛍光法を用いていたが、それのTraceを要求されたので、再度測定を行ない、結果としてFigureに加えた。 一方、強光下でシアノバクテリアは光化学系Iと光化学系IIの量比を調節していることが知られている。これも前年度までに、転写調節因子の一つであるSII1961が、この光化学系量比調節に関与していることを明らかにし、Plant Physiologyという雑誌に今年度投稿した。その結果、2つの追加実験を要求された。光化学系Iの反応中心サブユニットをコードする遺伝子のmRNA量をreal time RT-PCRで定量し、この転写因子は新規の光化学系量比調節に関与していることを明らかにした。次に、sll1961遺伝子がその表現型の原因遺伝子であることを確認するために、sll1961遺伝子の異なる位置にトランスポゾンが入っている株や、新たにsll1961のdeletion mutantを作成し、表現型を確認した。
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