2004 Fiscal Year Annual Research Report
アゲハの擬態紋様形成を制御する分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
03J11923
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二橋 亮 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アゲハ / シロオビアゲハ / パターン形成遺伝子 / 色素合成遺伝子 / cDNAサブトラクション / 紋様形成 / エクダイソン / JH |
Research Abstract |
本研究では、アゲハを材料に擬態紋様形成に関わる分子メカニズムの解析を目的としている。本年度は、1.cDNAサブトラクション法による紋様に関わる新規遺伝子の同定と、2.他の生物で色素合成に関わる遺伝子とアゲハの紋様との関連を解析した。 1に関しては、アゲハの若齢および終齢幼虫に特異的な遺伝子を1000クローンずつ解析し、計100以上の候補遺伝子を得た。それらの中には、若齢のイボ状の突起で特異的に発現する遺伝子や、終齢の緑色の色素合成に関わる遺伝子が含まれており、cDNAサブトラクション法が有効な手法であることが裏付けられた。 2に関しては、色素合成に関わる遺伝子として昨年度解析を行ったTH, DDC, GTPCHIに加えてyellow, ebonyの解析を行った。その結果、yellowは黒色部、ebonyは赤色部で特異的な発現が見られ、これらの遺伝子の組み合わせによって将来の色が決められていることが確認された。また、遺伝子の局在が紋様形成に重要であるかどうかを解析するため、in vitroで皮膚の着色を再現する系を確立し、それを用いてTH, DDCの局所的な発現が黒色紋様の形成に必須であることを確認した。さらに昨年度までの研究から、エクジソンとJHが色素合成やパターン形成に重要な役割を果たしていることを見出していたが、培養条件下における遺伝子発現の解析から、実際に色素合成に関わる遺伝子がホルモンに応答して発現することを確認した。 以上の結果の一部については、論文に投稿済みである。
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Research Products
(1 results)