2005 Fiscal Year Annual Research Report
茶ポリフェノールによる循環器疾患およびその危険因子への予防効果
Project/Area Number |
03J11968
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
根岸 裕子 金城学院大学, 生活環境学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒドロキシルラジカル / スーパーオキシド / 抗酸化能 / Terminalia Brownii Fres / 新規化合物 / エストロゲン様作用 / エストロゲンレセプターα |
Research Abstract |
前年度までの結果より、茶ポリフェノールなど食品に含まれる微量栄養素による血圧上昇抑制、循環器疾患およびその危険因子の一時予防には、それらが持つ抗酸化能が重要な役割をしていることが確認され、天然の抗酸化物質の検索が益々必要と考えられる。そこで、その他の地域で摂取されているものについても抗酸化能に注目し、検討を行うこととした。 アフリカ西部、マサイ族において様々な疾病や傷病の治療に用いられている、樹皮、根、果実などの粉末の熱水抽出により得られた水溶液、数種について、DMPOを用いたESR・スピントラップ法により分析し、抗酸化能の検討を行った。 そのうちの一つ、シクンシ科のTerminalia Brownii Fresの樹皮粉末の熱水抽出により得られた水溶液について、強い抗酸化能を有する市販の高濃度カテキン含有緑茶と比較したところ、ヒドロキシルラジカル消去能は1.7倍に達し、スーパーオキシド消去能も示した。 次に、この水溶液をポリフェノール抽出条件下で高速液体クロマトグラフィーを用い、分離を行ったところ、数種の化合物を得た。そこで、得られた化合物一種について、NMRにより構造の推定を行い、次にFAB-MSにより、構造を確定した。その結果、Terminalia Brownii Fresの樹皮粉末の熱水抽出により得られた水溶液中の化合物は、新規化合物(分子式C_<17>H_<12>O_5)であることが明らかとなった。 この新規化合物の構造より、エストロゲン様作用が推測されたことから、エストロゲンレセプターαに対する受容体結合親和性をCoactivator Ligand Binding Assay systemを用い検討した。その結果、水溶液および新規化合物についてエストロゲンレセプターαに対する受容体結合親和性が認められた。 以上について、特許申請(306004885、平成18年3月29日)を行った。
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Research Products
(3 results)