2005 Fiscal Year Annual Research Report
アゾール架橋白金二核錯体の物理化学的性質及び生体高分子との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
03J11970
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
米田 誠治 大阪薬科大学, 薬学部, 特別研究員
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Keywords | 白金錯体 / 抗癌剤 / 薬物耐性 / DNA / アポトーシス / シスプラチン / NMR / 転移反応 |
Research Abstract |
本年度は制癌活性を有する白金(II)二核錯体[{cis-Pt(NH_3)_2}_2(μ-OH)(μ-1,2,3-triazolato)](NO_3)_2(AMTA)のDNAとの相互作用における異性化反応について研究を行った。AMTAは中央のトリアゾールに配位結合している2つの白金原子がN1,N2配位またはN1,N3配位を形成することにより、1,2-GG鎖内架橋及び1,3-GNG鎖内架橋を形成すると推定される。そこで、中央にGGまたはGCG配列を有するDNAとAMTAの共有結合性相互作用についてNMR分光法を用いて検討を行った。 二種の配列の異なる一本鎖DNA([5'-d(CATTGGTCAC)-3']及び[5'-d(CATTGCGTCC)-3'])にAMTAを反応付加(pH4.0,37°,1week)させ、それぞれ中央のGG及びGCG部分のグアニン塩基間に1,2-及び1,3-鎖内架橋を形成させた。それぞれの白金-DNA付加物をFPLCを用いて精製し、それぞれの相補鎖([5'-d(GTGACCAATG)-3']及び[5'-d(GGACGCAATG)-3'])とアニーリングを行い、二重らせん([5'-d(CATTG^*G^*TCAC)-3'][5'-d(GTGACCAATG)-3'](Pt-GG)及び[5'-d(CATTG^*CG^*TCC)-3'][5'-d(GGACGCAATG)-3'](Pt-GCG))を調製した。 Pt-GG及びPt-GCGの濃度が1.2mMとなるように50mMリン酸重水溶液650μl(pH6.8)中に溶解し、二次元NMR(^1H-^1H COSY, TOCSY, NOESY)の測定を行った。得られた^1H-NMRシグナルの同定を行い、それらの立体構造について検討を行った。
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Research Products
(2 results)