2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
馮 益祥 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生体力学 / 脳動脈瘤 / 血行力学 / 発症 / 進展 / 計算機シミュレーション / 壁せん断応力 / 固体力学 |
Research Abstract |
本研究では、コンピュータシミュレーションを用いて、血行力学的因子と血管壁の相互作用により、脳動脈瘤を成長させる計算力学的モデルの構築を目的とする。 今年度は、メッシュ制限を突破するために流体計算ソフトがANSYSからSCRYUに切り替え、二つの湾曲を有する血管モデル(double-curvature model)および分岐管モデル(bifurcation model)を構築し、それらにおいて脳動脈瘤の発症および成長について検討した。その結果、前者においては両湾曲部の中間部分から瘤が発生し、それから紡錘状に進展することがわかった。分岐管モデルにおいては、壁せん断応力の最大値は分岐部付近に分布し、瘤は分岐部付近の娘管から発生し、更に分岐部にわたって成長することを明らかにした。 また、壁せん断応力の閾値、レイノルズ数とヤング率の低下率を変化させ、それぞれのパラメータが瘤の成長に与える影響を調べた。その結果、壁せん断応力の閾値が低下する或いはレイノルズ数が増加することより、動脈瘤が大きくなることがわかった。 以上の解析結果から、血行力学的因子を駆動源として、血管の形状変化とそれに伴う血流動態の変化が繰り返されることにより脳動脈瘤の成長が促進されることがわかった。しかし、形成した瘤の形は全て,紡錘状で、臨床に見えるくびれを有する嚢状脳動脈瘤と一致しない点もあった。そこで、今後の課題としては、血行力学的因子に応じて変化する血管壁の成長や生物学的要因などを考慮し、動脈瘤の成長のメカニズムを解明していく必要性が認められた。
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Research Products
(6 results)