2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50121
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩瀬 茂樹 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 受精卵 / 前核 / クロマチンリモデリング |
Research Abstract |
前核期に転写される遺伝子単離法の構築のための条件設定を行った。BrUTP存在下でin vitro転写反応を行い、BrUTPを含むRNAに対してRT-PCRが可能であるかどうかを検討した結果、可能であることが判明した。また、購入した抗BrUTP抗体が、実際に取り込まれたRNAに反応するかどうかをゲルシフトアッセイにより検討したところ、抗体とBrUTPとの反応を確認することができた。今後は、実際に受精卵を用いて、本抗体による免疫沈降及びRT-PCRにより転写産物の同定を行う予定である。 次いで、BrUTPを取り込ませた受精卵を経時的に回収し免疫染色を行った結果、約15時間後からde novoの転写が起こることを見出した。このことから、IP4及びIP5のマイクロインジェクショシは、受精前もしくは直後に行い,その後15時間後までの観察を行うのが適当であるとの示唆を得た。 さらに、縮重PCR法によるATP依存的DNAヘリカーゼ遺伝子の単離を試みた。既知のヘリカーゼであるMi2とSWIの配列をもとにしてプライマー対をデザインし、マウス未受精卵由来のファーストストランドcDNAをテンプレートにしてPCRを行った。得られた増幅産物をクローニングしてDNA配列解析を行ったが、現在のところ既知のDNAヘリカーゼドメインと相同性を有する配列は得られていない。 また、これまで解析を行ってきたヒストン脱アセチル化を担う複合体の足場タンパク質PFTF1について、標的遺伝子の同定を試みた。ヒト細胞より、クロマチン免疫沈降(ChIP)により精製したDNAをクローニングした結果、2つの遺伝子制御領域を単離することができた。本方法は、受精卵におけるクロマチン構造変換を解析するために有用であると考えられる。
|