2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50121
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩瀬 茂樹 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 受精卵 / 前核期 / クロマチンリモデリング / マウス / 転写 / ヒストン脱アセチル化 |
Research Abstract |
受精後の前核期に転写される遺伝子単離方法を構築すべく、種々の条件検討を行った。具体的には、マウス前核期卵にBrUTPを取り込ませて、BrUTPに対する抗体で免疫沈降し、沈降したRNAを鋳型にcDNAを合成、クローニング、さらにDNAシーケンスを行った。その結果、rRNAなどの非特異的な沈降物が多く、新規転写産物の単離は量的問題から困難ではないかと考えられた。今後は、更なる改善を施すとともに、別の実験系の構築の必要があると考えられる。 前年度の実績報告に記したように、縮重PCR法による新規クロマチンリモデリング因子の単離ができなかったため、既知のクロマチンリモデリング因子であるMi-2と相同性を有するPFTF1/BHC80に焦点を当て、その機能解析を行った。その結果、PFTF1/BHC80は恒常的に発現する遺伝子であること、PFTF1/BHC80には単一遺伝子から生じる少なくとも6つのアイソフォームが存在すること、PFTF1/BHC80は転写抑制複合体BHC(BRAF35-HDAC Complex)の足場として機能すること、PFTF1/BHC80の転写抑制活性には複合体構成成分との結合部位であるC末端領域が重要であることなどを明らかにした。さらに、PFTF1/BHC80ノックアウトマウスを作製したところ、ホモ欠損マウスは生後1日以内に死亡することから、PFTF1/BHC80が胚発生に重要な役割を果たしていることが示唆された。今後は、PFTF1/BHC80が果たす役割をマウス初期胚や生殖細胞をモデルとして検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)