2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 昌弘 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 可塑性 / Calyx of Held / CaMKII / シナプス |
Research Abstract |
(A)通常状態でのCalyx-MNTBシナプスにおけるCaMKII分子の発現と機能確認 (1)MNTB領域におけるαCaMKII、βCaMKIIのタンパク発現量が海馬の1%以であることをwestern法によって定量化し確認。これにより通常な状態ではCaMKII分子によるシナプス伝達効率の効果はないと判断した。 (2)Calyx-MNTBシナプス入力をLTPまたはLTDの誘発プロトコールで刺激してもLTP、LTDのいずれも誘発されないことを確認した。確認方法はバイポーラー電極を神経終末端側の神経線維の配置し軸索刺激のパターニングを変え、100Hzの高頻度刺激を20秒おきに2回与え、シナプス後細胞を電位固定することで興奮性後細胞シナプス電流の観察を行った。シナプス後細胞の固定電位は通常記録時でマイナス70mV、高頻度刺激時はNMDA受容体を開口させて後細胞へカルシウムを効率的に流入させるためにプラス10mVに固定した。結果、興奮性後細胞シナプス電流はLTPまたはLTDの誘発プロトコール刺激前後での変化を見せず、Calyx-MNTBシナプスは通常、海馬などで見られるLTPまたはLTDの誘発プロトコールでは可塑性の発現がないと判断した。 (B)CaMKIIのシナプス部への強制導入 (B-1)シナプス後細胞への導入 活性型CaMKIIをMNTB細胞内に注入し、低頻度刺激時におけるEPSCの振幅に変化が生じるか否かを測定した。活性型CaMKII(α型)をホールセルピペットを介してMNTB細胞内に注入し、バイポーラー電極を神経終末端側の神経線維の配置し軸索刺激を20秒おきに行い、神経終末端側を興奮させ、後細胞であるMNTB細胞をマイナス70mVに固定して記録した。CaMKII他の酵素活性は細胞内にあるATP有無による変化を見るため、細胞内溶液にはATP存在群と非存在群に分離して記録した。結果、LTPまたはLTDの誘発プロトコール刺激のない状態、つまり20秒おきの神経終末端刺激でのシナプス応答ではATPの存在、非存在如何に関わらず、LTPまたはLTDなどの可塑性は観察されなかった。
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Research Products
(1 results)