2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 昌弘 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 可塑性 / Calyx of Held / CaMKII |
Research Abstract |
(A) 通常状態でのCalyx-MNTBシナプスにおけるCaMKII分子の発現と機能確認 (1)MNTB領域における・CaMKII、・CaMKIIのタンパク発現量が海馬の1%以下であることをwestern法によって定量化し確認。これにより通常な状態ではCaMKII分子によるシナプス伝達効率の効果はないと判断した。 (2)Calyx-MNTBシナプス入力をLTPまたはLTDの誘発プロトコールで刺激してもLTP、LTDのいずれも誘発されないことを確認した。興奮性後細胞シナプス電流はLTPまたはLTDの誘発プロトコール刺激前後での変化を見せず、Calyx-MNTBシナプスは通常、海馬などで見られるLTPまたはLTDの誘発プロトコールでは可塑性の発現がないと判断した。 (B)CaMKIIのシナプス部への強制導入 (1)シナプス後細胞への導入 活性型CaMKII をMNTB 細胞内に注入し、低頻度刺激時におけるEPSCの振幅に変化が生じるか否かを測定した。LTPまたはLTDなどの可塑性は観察されなかった。 (2)シナプス後細胞強制導入時における頻回刺激 100Hzの高頻度刺激を与え、シナプス後細胞を電位固定することで興奮性後細胞シナプス電流の観察を行った。結果、興奮性後細胞シナプス電流はLTPまたはLTDの誘発プロトコール刺激前後での変化を見せる場合と見せない場合があることがわかった。 (C)シナプス部への強制導入の成果 シナプス前細胞へCaMKiiを強制導入できる特殊電極システムを開発した結果、化合物(BAPTAなど)をはじめとした強制導入に成功している。この強制導入システム開発の途中でカルレチニンと呼ばれるCaMKIIと比較してやや低分子なタンパク質の導入に成功した。現在カルレチニンの機能について精査し論文の投稿準備をしている。またCaMKIIはその分子の大きさによって外部からの強制導入に成功しなかった。
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