2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子デバイスの作製とテラヘルツ電磁波を用いたその伝導ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
03J50221
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅野 顕憲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 単一分子デバイス / 分子接合 / ナノギャップ電極 / 精密作製技術 / エレクトロマイグレーション / 単一原子 / 表面科学 / 表面原子拡散 |
Research Abstract |
単一分子デバイス(分子接合)とは、分子ひとつの持つ性質をデバイスの機能として応用しようとするものであり、ナノデバイスのひとつの極限形態と考えることができる。2000年代に入ってこのような構造を実際に作製したという報告がなされるようになり、単一分子特有の電子状態や分子の機械的変形を介した電気誘導の存在が示唆されている。 しかしその作製手法は、実験者の経験に大きく依存しており、報告されている実験結果の再現性は極めて低い。これは分子接合の実際応用を阻むことはもとより、多様な測定と解析を困難なものとし基礎研究の進捗を妨げてもいた。 本研究では、このような状況を克服するために、分子接合を再現性良く作製する手法を実現し、より多様な測定解析を通じてその伝導ダイナミクスを明らかにすることを目的とする。平成17年度の研究実績は次のとおりである。 1.ナノギャップ電極対の精密作製技術の実現 分子接合の基幹構造であるナノギャップ電極対の精密作製技術を実現した。金のナノ接合から原子をひとつずつ取り去り、単原子から1ナノメートル以上の様々な間隔を有する電極対を得ることに成功し、従来問題となっていた素子の電気破壊を抑え、ナノギャップ作製歩留まりを90%以上にまで向上させた。 2.実現した精密作製技術の理論的根拠を提唱 実現したナノギャップ作製技術の作製過程を精密かつ定量的にその場観察し、ナノギャップ形成過程と一般的な表面科学との関連性を見出した。これにより提案した作製技術の理論的根拠を提唱し、作製技術のさらなる精密化の可能性を示すことに成功した。 3.分子結合の試作と単一電子伝導の確認 実現したナノギャップ精密作製技術を応用し、分子接合の試作を行った。分子接合の試作を行った。分子接合作製過程も精密にその場観察することに成功し、接合形成を示唆する試料に量子準位を介した単一電子伝導を確認した。 上記3つの成果に関して近く論文発表する予定である。
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