2003 Fiscal Year Annual Research Report
砂漠等未利用地における大規模太陽光発電システムに関する研究
Project/Area Number |
03J50301
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 雅一 東京農工大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽光発電システム / 砂漠 / リモートセンシング / ライフサイクルアセスメント / 二酸化炭素排出量削減 |
Research Abstract |
平成15年度は砂漠等未利用地域に適した太陽光発電技術開発を中心に研究活動を実施した。平成14年度までに平板固定架台の設計を行い,LCAの視点から評価を行った。平成15年度はその評価をさらに発展させ,平板固定架台のみではなく,平板追尾架台の評価を行った。また,モジュールに関しても多結晶モジュールの評価に加え,アモルファスモジュールを用いた評価を行った。それぞれ,コスト,エネルギーペイバックタイム,二酸化炭素排出原単位を算出した。 その結果,一軸追尾架台を導入することでコストは約1割削減でき,エネルギー投入量はエネルギーペイバックタイム,二酸化炭素排出原単位ともに若干削減となることが分かった。また,環境に良いとされているアモルファスモジュールを砂漠地域に大規模に用いた場合,現段階では効率が高くはないため,多結晶モジュールと比較すると若干メリットは下がることが分かった。平板追尾架台に関する発表を昨年の5月の第3回太陽光発電世界会議(大阪)で招待講演として発表を行い,若手研究者奨励賞を受賞した。また,本年1月にバンコクで開催された第14回太陽光発電国際会議でも招待講演を要請され,アモルファスモジュールを用いた評価に関する発表を行った。 太陽光発電システムが設置可能,かつ緑化・農業開発が可能である地域を示すためのリモートセンシング技術を用いた手法の開発では,砂漠において太陽光発電システムを設置できる地域を抽出するアルゴリズムを開発し,現在までにゴビ砂漠の評価を終了した。ゴビ砂漠では,約40%が大規模太陽光発電システム設置可能地域であると推定された。 また,このシミュレーションの有効性を示すため,実際に現地とシミュレーション結果を比較するグランドトゥルース作業を行い,精度の確認を行った。結果,モンゴル国ダランザドガド付近の調査では良い成果が得られている。
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