2004 Fiscal Year Annual Research Report
テラパスカル領域におけるダイヤモンドの衝撃圧縮状態の解明
Project/Area Number |
03J50331
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永尾 浩文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 衝撃圧縮 / ダイヤモンド / 構造相転移 / ガラスレーザー / レーザー加速フライヤー / 時間分解ラマン分光計測 |
Research Abstract |
出力150J・パルス幅30ns(FWHM)の高出力ガラスレーザーを使用し、金属表面に集光することで発生する衝撃波速度と粒子速度の計測および圧力を行った。その際、集光強度の制御方法、超高圧力を発生するために最適なターゲットの材料と形状、厚さの検討を行った。また、本研究で扱う測定時間領域は5ns以下であり、積算のできない一回限りの実験であるため、高速掃引が可能なストリークカメラによって各種の計測のテストを行った。また、レーザーと計測装置をナノ秒のタイムスケールで正確に同期させるための電子回路の製作と調整を行った。なお、高出力レーザーシステムは、人体に対して致命的な障害を与える危険性があるため、実験時の保安システムの設計、製作も行った。 衝撃圧力は、衝撃波速度または粒子速度から計算を行った。衝撃波速度はターゲット背面からの発光を、ストリークカメラによって観測することで計測を行った。粒子速度の計測については、エタロンによる光学干渉計を使用し、ドップラーシフトによる干渉縞の変位から計測を行った。粒子速度の計測においては、研究室で保有しているエタロンが秒速3km程度の計測に適した仕様となっているため、テラパスカル領域の衝撃圧力発生時の秒速10km以上の粒子速度の計測には適していない。そのため、エタロンも含めた干渉光学系の再検討を行った。 実験試料には、結晶軸の方向による圧縮様態の違いを考慮するため、面方位を指定した単結晶ダイヤモンドのウェハーを用意した。そして、テラパスカル領域のダイヤモンドの衝撃圧縮状態の計測を行い、超高圧下におけるダイヤモンドの衝撃圧縮状態を解明するための予備実験を行った。
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