2004 Fiscal Year Annual Research Report
通電加熱法を用いた酸化亜鉛の結晶成長と発光特性に与えるテルミット反応の効果
Project/Area Number |
03J50381
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
湊 賢一 長岡技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 通電加熱法 / テルミット反応 / 結晶成長 / 結晶集合体 / 発光材料 / 熱伝導率 |
Research Abstract |
酸化亜鉛(ZnO)セラミックスの線材試料中央部分にアルミニウム(A1)粉末を堆積させ、空気中で通電加熱することにより、A1体積部分でテルミット反応が発生し、その部分から極めて高い成長速度(〜130mm/s)を有するZnO結晶集合体が成長する現象を見出した。ZnO結晶集合体の光物性を調査した結果、結晶集合体先端部分で紫外発光、根本部分で緑色発光が支配的であった。ZnO結晶を紫外発光材料として用いる場合、紫外発光を有する結晶の量産化が今後重要な鍵となる。そこで、本年度はテルミット反応を利用した通電加熱法により得られるZnO結晶集合体の発光特性改善を試みた。 これまで、通電加熱時の酸素分圧を制御することによって、結晶集合体の長さ制御が可能である。その際、長さの長い結晶集合体ほど、結晶集合体に占める紫外発光を示す領域が増大することがわかってきた。また、通電加熱の際、線材に流す電流値が低いほど、結晶集合体に占める紫外発光領域が増大することがわかってきた。このことより、結晶集合体成長時の雰囲気の温度が低いほど、紫外発光を示す領域の増大に効果があるのではないかと考えた。 通電時の電流値を低下させて結晶集合体作製を試みた場合、70A/cm^2以下ではテルミット反応が発生せず、結晶集合体が成長しないことがわかっている。電流値を低下させることなく、結晶集合体成長時の雰囲気の温度を低下させるために、雰囲気のガスの熱伝導率に着目した。これまでは、N_2とO_2または、ArとO_2で結晶集合体作製を行っていた。そこで、N_2やArよりも熱伝導率の高いHeを用いて結晶集合体作製を試みた。その結果、He+20%O_2雰囲気下で成長した結晶集合体では、どの部分においても強い紫外発光のみが観測された。 以上のことより、通電加熱時に熱伝導率の高いガスを用いることによって、どの部分においても紫外発光を有するZnO結晶集合体の作製に成功した。
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Research Products
(5 results)