2004 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性/反強磁性界面のナノスピン構造とスピンエレクトロニクスへの応用
Project/Area Number |
03J50461
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久米 泰介 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員-DC1
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Keywords | 交換結合 / MnPt不規則合金 / エピタキシャル膜 / 元素選択ヒステリシス |
Research Abstract |
HDDのGMR読み出しヘッド等に用いられている反強磁性/強磁性界面における交換結合の発生機構を調べるために,MgO(001)/Cr(10nm)/Pt(30nm)/Co_<90>Fe_<10>(5nm)/Mn_<1-x>Pt_x(30nm)/Pt(2nm)およびMgO(001)/Cr(10nm)/Pt(30nm)/Co_<70>Fe_<30>(5nm)/Mn_<1-x>Pt_x(30nm)/Pt(2nm)をMBE方により作成し,Ni_<80>Fe_<20>(5nm)を強磁性層に用いた時との磁気異方性の比較検討を行なった。その結果Ni_<80>Fe_<20>では大きな一方向異方性が誘導されたのに対し,Co_<90>Fe_<10>およびCo_<70>Fe_<30>を用いた場合には一方向異方性が誘導されなかった。しかし,Mn-Pt反強磁性層からと考えられる大きな4回対称異方性はこれらの場合でも確認された。これらのことより,一方向異方性の誘導には反強磁性体の磁気異方性のみでなく,強磁性層の磁気異方性との関係が大きなカギとなっているのではないかと考えられるが,今回なぜ一方向異方性が誘導されなかったかは明らかになっていない。さらに反強磁性体のスピンの挙動を調べるため,Spring8 BL25SUにおいてMgO(001)/Cr(10nm)/Pt(30nm)/Mn_<1-x>Pt_x(30nm)/Ni_<80>Fe_<20>(3nm)の元素選択ヒステリシス測定を行なった。その結果Mn-Pt/Ni_<80>Fe_<20>界面において反強磁性Mnスピンは強磁性Feスピンと同じヒステリシスを示すことがわかった。また,Mnスピンの強磁性的に配列している成分の大きさのPt組成依存と4回対称成分のPt組成依存を比較すると,このMnスピンがFeスピンとともに回転しているとは考えにくいことがわかった。
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Research Products
(2 results)