2003 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子を用いた基礎適合DNAのインプリントと新規センサーとしての応用
Project/Area Number |
03J50781
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
べ 娥賢 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | DNA / 鋳型 / 高次構造 / poly(pyrrole) / 誘電性高分子 / 酸化重合 |
Research Abstract |
1.緒言 最近、我々は導電性高分子モノマーの酸化により生成したカチオン性中間体がアニオン性の鋳型の周りに集積し、鋳型の周りで選択的に導電性高分子を重合できることを明らかにしている。本研究では、この手法を用いて高次構造をもつDNAを鋳型として、導電性高分子への高次構造の転写を検討した。 また、DNA/poly(pyrrole)薄膜を作製し、EB(ethidium bromide)の濃度による電気化学性質を評価した。 2.実験 DNAをアニオン性の鋳型とした導電性高分子の重合は、(1)過硫酸アンモニウムを酸化剤として用いる化学酸化重合と(2)ITO基板上での電解重合を行った。鋳型としてDNAが働いていることを確認するため、得られたpoly(pyrrole)の構造をSEM、TEM、AFMで観察した。また、DNAのインターカレーターであるEB(ethidium bromide)を用い、吸収と蛍光スペクトルにより同定を行った。続いて、CVによるDNA/poly(pyrrole)薄膜のEBに対したセンシシグについて試みた。 3.結果と考察 特異な形状(すなわち、ロッド、環、スーパーコイル構造体)をもつDNAを鋳型として用い、高次構造の導電性高分子への転写に成功した。また、電解重合によりITO基板上にDNA/poly(pyrrole)複合体薄膜を作製した。鋳型としてDNAが存在することはインターカレーターであるEBの吸収と蛍光スペクトルから確認した。得られたDNA/poly(pyrrole)薄膜はCVにより、EBを検出することが可能であった。本手法により、DNAの分子認識能を活用した新規な電気化学的センサーの開発が期待される。
|
Research Products
(1 results)