2004 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子を用いた基質適合DNAのインプリントと新規センサーとしての応用
Project/Area Number |
03J50781
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
べ 娥賢 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(D1)
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Keywords | 導電性高分子 / DNA / 電解重合 / C[60](フラーレン) / porphyrin(ポルフィリン) / 光電流 |
Research Abstract |
[緒言] 最近、我々は導電性高分子モノマーの酸化反応により生成したカチオン性中間体がアニオン性超分子を鋳型として重合し、鋳型の構造を反映した導電性高分子が作製できることを明らかにしている。その中で、我々はDNAの分子認識能を活用してethidium bromideがインターカレートされた多成分系薄膜での高効率な電子移動が達成される導電性高分子フィルムを作製することに成功している。本研究では、DNAを鋳型に用いて光活性種であるカチオン性フラーレンとDNAのインターカレーターであるポルフィリンによる効率的な光機能性電極を作製した。 [実験] C[60]・porphyrin・DNA複合体をアニオン性の鋳型とした導電性高分子の重合はITO基板上での電解重合により行った。C[60]・porphyrin・DNA複合体が鋳型となっていることをCVおよびUV-VIS吸収スペクトルにより確認した。 [結果と考察] DNAのリン酸基部位にカチオン性フラーレンが安定に静電相互作用し、DNAにporphyrinがインターカレートしているC[60]・porphyrin・DNA複合体溶液を調整した。C[60]・porphyrin・DNAをアニオン性鋳型としてCVにより導電性高分子の酸化重合を行った。得られた薄膜にporphyrinが担持していることをUV-VIS吸収スペクトルで確認し、porphyrinの吸着量を求めた。一方、C[60]の酸化還元を確認することで得られた薄膜にC[60]が導入されていることを確認し、得られたCVのピークからC[60]の量を求めた。さらに導電性高分子複合体の光機能性の評価を行った結果、光励起されたTMPyPがアクセプターであるC[60]に電子を渡すと思われる。また、TMPyPのカチオンラジカルは電子ドナーであるアスコルビン酸(ASA)から電子を補充しアノード方向の光電流が発生すると考えられる。
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Research Products
(6 results)