2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50861
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
向井 有理子 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自尊心 / 異文化受容 / 文化間比較 / 都市 / 社会心理学 / 恐怖管理理論 |
Research Abstract |
1.関西の都市部と村落部において、自尊心とその影響因、及び日本や異文化への一般的態度についての調査から都市と村落の違いを明らかにした。自尊心へのへの影響因については、都市部の住民は村落地域の住民と比べ、これまでの伝統的な価値観や慣習には影響をあまり受けていないことが分かった。この違いは居住地域で区分した場合よりも、生育環境の都鄙性において区分した場合にさらに顕著であることから、自尊心を規定する価値体系には育った地域の文化の影響がより強いことが示唆される。異文化受容については予測どおり、都市部のほうが村落部に比べ、より異文化を受容する態度を示していた。また、恐怖管理理論から、都市で育った者たは異文化を受容すべきという規範が、自尊心を高める要因として内在化されていることが分かった。自尊心の高さと異文化受容の関係については自尊心が高い者の方がより異文化を受容するだけでなく、自文化に対する愛着も強いことが分かった。この結果については日本社会心理学会第44回大会で発表済みであり、大阪市立大学大学院文学研究科「都市文化研究センター」のホームページにも公開予定である。 2.日本での調査をもとに同様の調査ドイツ、ハンブルクの市民及びその周辺住民に対し実施した。ハンブルク大学社会心理学教室のWitte教授、Zuhlke講師の協力の下、調査を実施し、データ収集はほぼ完了している。現在同様の調査をロンドンでも行う予定で準備を行っている。
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