2003 Fiscal Year Annual Research Report
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03J50921
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊地 正志 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ガスセンサ / 水晶振動子 / アンモニア / メチルメルカプタン / 多孔質薄膜 / 高分子電解質交互吸着法 / 自己組織化膜 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、薄膜形状の多層化により、ガス感応膜の高感度化・高選択性化を図り、高性能ガス感応膜の統一的な設計方法・作製方法を確立すると共に、センサデバイスをTCP/IPネットワークを通じて連携させ、遠隔地におけるモニタリングシステム及びその長期保守方法を確立することである。 その初年度である平成15年度は、ガス感応膜について、生活空間において問題となっているアンモニア(MH_3)ガス及びメチルメルカプタン(CH_3SH)ガスを対象とし、多孔質な物理的形状と高密度な反応サイトを共に有する感応膜を作製し、評価を行なった。多孔質薄膜作製技術であるLayer-by-Layer Self-Assembly Method(LbL-SA法)を用いることにより、薄膜の多孔性・ガス拡散性の制御を行った。その結果、これらのガスに対して人間の嗅覚閾値程度(1ppm以下)の感度を持つセンサ素子を作製することができた。特に、メチルメルカプタンガスに対しては100ppbという超低濃度のガスを検出することに成功した。 また、ガスセンサのTCP/IPネットワーク化については、遠隔地モニタリングの基本的なプラットフォームを構築した。 センサ出力の濃度への変換式の算出・実装、センサデバイスへのHTTPサーバ機能実装、JavaAppletによるデータベース構築を行い、汎用的なWebブラウザにより、特殊なソフトウェア無しで遠隔地のセンサ出力を参照するシステムを構築した。本研究により、ホームネットワーク・情報家電等への嗅覚センサ組み込みのためのシステムを構築することができた。
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