2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J50981
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
湯本 直杉 玉川大学, 工学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 時間情報認知 / 電気生理学 / 慢性実験 / 前頭前野 / マカクザル / 高次機能 / 9野 / 前補足運動野 |
Research Abstract |
高次脳機能の研究分野において、現在注目を集めている研究のひとつである時間情報認知機能についての研究を行っている。本研究は、ニホンザルを用いた慢性実験であり、ランプの点灯の持続時間によって表された1秒・5秒等の時間情報を記憶しておき、GOシグナルの出現時点から、先ほど提示された時間分だけ待機しボタンを押すものである。従来の時間研究における相対的な時間の長短の弁別課題とは異なり、絶対時間の認知について扱っているところに大きな特色がある。 1頭目の個体では、1秒と5秒の時間情報を用いて実験を行い、比較的広範囲に電極を刺入してマッピングを行った結果、前頭前野の9野もしくは前補足運動野に時間認知関連のニューロンが局在している様子を見ることができた。 2頭目の個体では、2秒・4秒・7秒の課題を用いて実験を行った。電極の刺入範囲は、1頭目の実験から得られたマップを基準に行っているが、一般に脳の個体差は大きいためあくまで参考として用い、2頭目のマッピングを行っている。 1頭目の個体から得られたデータでは、主に時間情報の提示期間中に特徴的な活動が現れた。2頭目の個体でも同じような神経活動が見られることを予測して実験を行っているが、この場合は時間情報の提示期間中よりも、時間情報の再生期間中に特徴的な活動が見られており、様々なパターンを成していることがわかった。 現在は2頭目の実験と並行して、1頭目と2頭目の神経活動データを統計解析にかけ、時間情報処理における各神経活動の役割、特徴について分析中である。
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