2004 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌に高度に保存された多成分制御系conservonの機能と役割に関する研究
Project/Area Number |
03J51011
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小松 護 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | conservon / Streptomyces / morphological differentiation / secondary metabolism / G protein / signal transduction / receptor / ATPase |
Research Abstract |
conservonは4-5個の遺伝子よりなるオペロンであり、Streptomyces coelicolor A3(2)の染色体上には相同性の高い13セット存在している。その内のcvn9の構成遺伝子cvnA9-E9がコードする5種の蛋白(A9-E9)を、それぞれ大腸菌を宿主として発現調製し、その性質を詳細に解析した。A9は少なくともホモ4量体を形成し、ATP特異的結合能とATPase活性を有していたが、自己リン酸化能は有していなかった。B9はホモ4量体を形成した。D9はGTP/GDP特異的結合能とGTPase活性を有することを確認した。E9は典型的なP450に特徴的な吸収スペクトルを示し、S.coelicolor A3(2)が染色体上にコードするP450還元酵素である、3つのフェレドキシンレダクターゼ(FR1-3)と6つのフェレドキシン(f1-6)のうち、FR1/f2さらに、蛋白間の試験管内相互作用解析により、E9は他のどれとも相互作用しなかったが、A9はADP結合型の時にB-D9と相互作用し、ATP結合型で解離することが示された。D9はGDP結合型の時にABCと相互作用したが、GTP結合型で解離することが示された。これらの知見はA-D9が複合体を形成することを示唆し、それはこれらを大腸菌内で共発現させた実験でも確認された。このような複合体形成の様式と構成因子の機能は、真核生物に普遍的なG蛋白共役型レセプターと類似しており、Cvn9複合体においてもATPおよびGTPの加水分解にともなって複合体が解離し、解離したD9がGTP結合型でシグナル伝達の分子スイッチとして機能するものと考えられた。また、ビオチン標識したcvn9プロモーターを用いたDNAアフィニティー精製により、当オペロンの転写制御を行うと予想される転写制御蛋白質BldDとLexAの同定に成功した。
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