2004 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト化学的手法による新規結晶性ケイ酸骨格を有する無機-有機ナノマテリアルの創製
Project/Area Number |
03J51031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
望月 大 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 無機-有機複合体 / シリル化 / インターカレーション / 層状ポリケイ酸塩 |
Research Abstract |
無機-有機ナノハイブリッドは、新材料創出の期待から近年広く研究がなされている。特に層状ケイ酸化合物/ポリマーナノハイブリッドは、層状ケイ酸の高熱的安定性・高アスペクト比・高比表面積といった利点により、機能の向上や新規物性の発現が可能である。より高い物性・機能性を付与した無機-有機ナノハイブリッドを合成するためには、無機と有機とのナノ構造を精密に設計することが重要になる。 本研究では、重合可能な部位としてメタクリロキシ基を有するオルガノキシクロロシランを用いオクトシリケートに対しシリル化を行い、メタクリロキシ基修飾-新規ケイ酸化合物を合成した。さらに、得られた生成物の層間にスチレンモノマーを導入し、メタクリロキシ基と共重合させることにより、新規層状ケイ酸/ポリマーナノハイブリッドを合成した。 シリル化生成物のXRDパターン、元素分析、^<13>C CP/MAS NMR、^<29>Si MAS NMRから、オルガノキシトリクロロシランと層間シラノール基とのシリル化反応およびその後のアルコールとの反応により層表面へのメタクリロキシを含むオルガノキシ基の固定化を確認した。さらにシリル化生成物とスチレンとの反応生成物において、XRDおよび、元素分析より層間へのスチレンの導入が示唆された。さらに、^<13>C CP/MAS NMRより、メタクリロキシ基の炭素-炭素二重結合の開裂およびスチレンユニットに帰属されるシグナルを観測したことから、重合反応の進行が示された。以上の結果より、新規層状ケイ酸/ポリマーナノハイブリッドを合成が示された。
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