2003 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト化学的手法による新規結晶性ケイ酸骨格を有する無機-有機ナノマテリアルの創製
Project/Area Number |
03J51031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
望月 大 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 無機-有機複合体 / シリル化 / インターカレーション / 層状ケイ酸塩 |
Research Abstract |
無機-有機ナノ複合体は、無機部と有機部との精緻な制御を行うことにより、新たな機能性の発現が期待できる。我々はこれまでに、層状ポリケイ酸塩オクトシリケートに対しジアルコキシジクロロシランを用いてシリル化し、アルコキシシリル基を規則的に固定化することで、新たなケイ酸構造を構築し、無機部分の詳細な制御について検討している 1)。本研究では、有機部分の制御の一環として末端に炭素-炭素二重結合を有するアルケノキシ基の層間への固定化を行った。 層状ポリケイ酸塩オクトシリケートの層間NaイオンとC16TMAClとのイオン交換反応により得られるC16TMA-オクトシリケート複合体をジクロロメタン中に分散させ、ピリジン存在下で、末端に炭素-炭素二重結合を有する9-decen-1-oxytrichlorosilane((H_2C:CHC_8H_<16>O)SiCl_3;(C10 " O)SiCl_3)もしくはdi(9-deccen-1-oxy)dichlorosilane((H_2C:CHC_8H_<16>O)_2SiCl_2;(C10" O)_2SiCl_2)を過剰量加え、室温で攪拌し、洗浄・乾燥後、試料を得た。 得られた生成物の基本面間隔は、Na型オクトシリケートに比べ増大し、同鎖長のアルキル鎖でシリル化した生成物とほぼ一致したことからシリル基の導入が示された。生成物の~<13>C CP/MAS NMRより、139ppmおよび115ppmのシグナルを観測し、層間への炭素-炭素二重結合の導入が確認された。また^<29>Si MAS NMRより、シリル化剤のSi-Cl基2つが層間のSi-OH基2つと反応した状態で現則的に固定化されていると推定された。
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